2013年6月19日水曜日

RHF/3-21Gレベルにおけるアンモニアの構造最適化・振動解析

Gaussian 09を用いたアンモニアの構造最適化・および構造解析の計算について記述する。

まず、Gaussian 09 インプットファイル名は「NH3.gjf」とした。 モデル化学をRHF、基底関数を3-21Gとし、構造最適化と振動解析計算を実行した。分子座標はZ-matrixで記述した。

インプットファイルは TeraPad で編集した。以下に Gaussian 09 インプットを示す。


# RHF 3-21G opt freq

NH3

0 1
X1
N2 1 1.0
H3 2 R1 1 A1
H4 2 R1 1 A1 3 A2
H5 2 R1 1 A1 3 -A2

R1=1.0
A1=105.0
A2=120.0



二面体角A2(D1でもよい)の下は空行を2行必要とする。Xはダミー原子である。


これを Gaussian 09 で計算すると、以下の結果が得られた。

E(RHF) : -55.87220348 a.u.
Point Group : C3v
N-H 結合距離 : 1.00258 Å
H-N-H 結合角 : 112.41453 °
全対称伸縮振動 : 3644.6556 cm-1
全対称変角振動 : 853.0635 cm-1
縮重伸縮振動 : 3801.1232 cm-1
縮重変角振動 : 1857.7323 cm-1

アンモニアは主軸 C3
にそれを含む対称面 σv をもっているので C3v 対称性となる。
文献値*1によると、N-H 結合距離は 1.012 Å、H-N-H結合角は 106.7 °である。
文献値*2によると、全対称伸縮振動は 3337 cm-1、全対称変角振動は 950 cm-1、縮重伸縮振動は 3444 cm-1、縮重変角振動は 1627 cm-1である。

以下に、構造最適化されたアンモニアと各振動のアニメーションを図示する。




図1 構造最適化されたアンモニア




図2 アンモニアの全対称伸縮振動のアニメーション




図3 アンモニアの全対称変角振動のアニメーション




図4 アンモニアの縮重伸縮振動のアニメーション




図5 アンモニアの縮重変角振動のアニメーション





引用文献
*1 日本化学会編, 改訂4版 化学便覧 基礎編, 丸善, II-654 (1993).
*2 日本化学会編, 改訂4版 化学便覧 基礎編, 丸善, II-582 (1993).

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