2013年5月21日火曜日

RHF/3-21Gレベルにおける水分子の構造最適化・振動解析

Gaussian 09を用いた水分子の構造最適化・および構造解析の計算について記述する。

まず、Gaussian 09 インプットファイル名は「H2O.gjf」とした。 モデル化学をRHF、基底関数を3-21Gとし、構造最適化と振動解析計算を実行した。分子座標はZ-matrixで記述した。

インプットファイルは TeraPad で編集した。以下に Gaussian 09 インプットを示す。


# RHF 3-21G opt freq

H2O

0 1
H1
O2 1 R1
H3 2 R1 1 A1

R1=0.96
A1=104.5



H-O-H角の下は空行を2行必要とする。


これを Gaussian 09 で計算すると、以下の結果が得られた。

E(RHF) : -75.58595976 a.u.
Point Group : C2v
O-H 結合距離 : 0.96668 Å
H-O-H 結合角 : 107.67868 °
全対称伸縮振動 : 3812.10 cm-1
全対称変角振動 : 1799.37 cm-1
逆対称伸縮振動 : 3945.53 cm-1

水分子は主軸 C2 (2回転軸C2) をもち、それを含む対称面σをもっているのでC2対称性となる。
文献値*1によると、O-H 結合距離は 0.9578 Å、H-O-H 結合角は 104.478 °である。
文献値*2によると、全対称伸縮振動は 3657 cm-1 、全対称変角振動は 1595 cm-1 、逆対称伸縮振動は 3756 cm-1 である。

以下に、構造最適化された水分子と各振動のアニメーションを図示する。

図1 構造最適化された水分子


図2 水分子の全対称伸縮振動のアニメーション


図3 水分子の全対称変角振動のアニメーション


図4 水分子の逆対称伸縮振動のアニメーション


引用文献
*1 日本化学会編, 改訂4版 化学便覧 基礎編, 丸善, II-653 (1993).
*2 日本化学会編, 改訂4版 化学便覧 基礎編, 丸善, II-582 (1993).

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