まず、Gaussian 09 インプットファイル名は「H2S.gjf」とした。 モデル化学をRHF、基底関数を3-21Gとし、構造最適化と振動解析計算を実行した。分子座標はZ-matrixで記述した。
インプットファイルは TeraPad で編集した。以下に Gaussian 09 インプットを示す。
# RHF 3-21G opt freq
H2S
0 1
S1
H2 1 R1
H3 1 R1 2 A1
R1=1.336
A1=92.1
H-S-H角の下は空行を2行必要とする。
これを Gaussian 09 で計算すると、以下の結果が得られた。
E(RHF) : -396.70466613 a.u.
Point Group : C2v
S-H 結合距離 : 1.35058 Å
H-S-H 結合角 : 95.80548 °
全対称伸縮振動 : 2638.7161 cm-1
全対称変角振動 : 1322.0366 cm-1
逆対称伸縮振動 : 2652.1605 cm-1
硫化水素は主軸 C2 (2回転軸C2) をもち、それを含む対称面σv をもっているのでC2v 対称性となる。
文献値*1によると、S-H 結合距離は 1.336 Å、H-S-H 結合角は 92.1 °である。
文献値*2によると、全対称伸縮振動は 2615 cm-1 、全対称変角振動は 1183 cm-1 、逆対称伸縮振動は 2626 cm-1 である。
以下に、構造最適化された硫化水素と各振動のアニメーションを図示する。
図1 構造最適化された硫化水素
図2 硫化水素の全対称伸縮振動のアニメーション
図3 硫化水素の全対称変角振動のアニメーション
図4 硫化水素の逆対称伸縮振動のアニメーション
引用文献
*1 日本化学会編, 改訂4版 化学便覧 基礎編, 丸善, II-653 (1993).
*2 日本化学会編, 改訂4版 化学便覧 基礎編, 丸善, II-582 (1993).
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